どういうわけか、岐阜県の瑞浪に百姓学校というおもしろい所があるということで、連れて行ってもらうことになりました。
常滑DASH村をやっているとはいうものの、今どき百姓になるための学校があるなんて信じられなかったのですが、なんとなく面白そうな気がして行くことにしました。百姓学校の成り立ちは、そこのオフィシャルページや百姓学校レポートページを見てください。ここでは、そこでの驚くべき実体験を報告させていただきます。



常滑を車で出発して、約2時間、中仙道の宿場町の近くを通過して奥へ入ると、

人里離れたところに、ありました、ありました!

百姓学校の大きな木か石かわからない看板が・・・。

奥に見える家々が、校長の家であり、共同生活所であります。



今日は、百姓学校の収穫祭です。

この人が、校長さん!


一見、なんでもないおじさんに見えますが、どうしてどうして、なかなかの人物です。

百姓学校の生徒さんは、一般のサラリーマン、コンピュータのプログラマー、大学の先生、フリーターなど、

ありとあらゆる職業についている人たち。

けれども、だれもこの校長さんにはかないません。みんな、「ハハーッ」という感じで言うことを聞きます。

収穫祭のため、他市町村、岐阜県、名古屋市、愛知県、三重県、遠くは静岡から来ている人もいます。

徐々に人が集まりはじめます。




作業の説明が済むと、さっそく今日の収穫作業に入ります。

   

右側の写真は、サトイモです。後で食べましたが、とろけるように美味しかったです。


収穫しながら、すぐに次の作物のうね作りと種付け

    
クワの使い方も、やはり校長は一級。だれもかないません。


タネの蒔き方を教えながら、さっそく自分の農業論をぶち上げます。 蒔いた種です。これは、ダイコンの種。

以下は、小倉校長の演説です

食料自給率が30%を切っているのに、危機感を抱かない日本人は将来が危うい!

無農薬の自然野菜に手間がかかるなんてウソだ!

ちゃんと頭を使えば1日3時間の労働で作物はできる。

この百姓学校で証明しようと思っておったが、実践してみたら、1日3時間もいらんな。

2時間でいいわい

百姓学校の登校日は一ヶ月一回2日間。これで素人でも3年間で、プロの百姓になれるぞ。

誰だ! 百姓は苦労ばっかりあって、儲からんと言ったやつは!

       百姓ほど、儲かる仕事はないぞ!


なにも知らない私は、怖いもの知らずで校長にいろいろ聞いてみました。

「この土は真っ黒でとても肥えているように見えるけれど、どうしたら作れるんですか?」

すると、校長はギラリとした目で見つめ、

私を一喝し、次のように言いました!

土も作物も人間が作ると思うなんておこがましい

人間は菜のは一枚作ることはできんのだ。

土の中のたくさんの微生物が働いて、そして栄養ある土をつくっとる。

人間は、その微生物や作物が育ちやすい環境を作り出してやるだけじゃわい。



こういうとすごくこわい人のようですが、実はとってもあったかい人なんです。

蒔いたばかりの種に水をかけながら、

ここの畑も2年前はススキだらけの草ぼうぼうじゃった。

けれども、草を刈って、牛に食べさせる。

また、草を刈って、牛に食べさせる。

また、草を刈って、牛に食べさせる。

だいたい3回やると根もなくなって、畑になるよ。簡単なことだ。



この草ぼうぼうの土地は、この畑の隣です。うそでもなんでもありません。

この写真は、まぎれもなくこの畑のすぐ隣です。そして、ここも開墾していく土地なのです。



ここでは、牛を子牛も含めて4頭飼っていました。



この牛がポイントです。

この牛のえさは、ここで刈り取った草、雑穀の残り物。

それにEM菌を混ぜて食べさせる。

すると、牛糞が全然くさくない!

この牛糞と炭の粉を (ただ同然で手に入るそうです) 肥料として土に混ぜる。

完全な循環自然農法で、肥料代や農薬いらず。



さて、いよいよ採り入れたもち米で、もちつき大会です。





おっと!

サンタクロースが突如乱入し、もちつきに参加!

     

サンタクロースは加藤大喜さん。子ども達は、大喜びでした。




カップルで参加する生徒さんも・・・



    
参加者全員の自己紹介の場面です。クリスマスツリーの下で、自己紹介を聞き入る生徒達


次は、この収穫祭にオカリナ奏者として呼ばれた常滑の渡辺敬一郎さんのコンサート

    

土の音色が百姓学校のある谷間に響き渡り、こだまして、すばらしいコンサートになりました。





百姓学校は、山に囲まれた盆地にあります。

山に囲まれている分、日が暮れるのは早く、あっという間に暗くなりました。





夕食に始まった大宴会。出された食事は、すべてここで採れた新鮮野菜と米。



笑い声が絶えませんでした。






暖かかった昼間から急激に気温が下がり始めます。





ところがです。

ここには、こんなすばらしいイロリがあるんです。

(日本の文化は本当にすばらしい)




このイロリを囲んで、夜の2時まで、百姓談義をしてしまいました。

この学校、みんなで入れる風呂もあるんですよ!

夜は深々と冷えました。さすがに、布団の中でも肩が寒かったです。




朝です!

外は、真っ白な霜! 一面の霜!      近づくと霜のついた草!

   






夜露にぬれた草たち!

    

ね、宝石のようにきれいでしょ!


朝日が差し込む部屋で、朝食です。

そのおいしいこと、おいしいこと!



食事がおいしくて、朝なのに3杯も御代わりをしてしまいました!

こんなゼイタクな食事はありません。

多分、1万円を出したホテルの食事よりも、

ここの食事の方が、美味しいです。

なぜかって?

それは、食事に感動があるからです!



食事の後で、近くの秘境に散歩に行くことになりました。

この学校から歩いていけれるすごい秘境があるのだそうです。

わく わく

どき どき



散歩の途中の田んぼで、勝野さんが説明してくれました。



ここの田んぼで、もち米を作っていたそうです。

この辺りは、いのししが多くて、田んぼをトタンで囲って作っていたそうです。

穂もよく実って、刈り入れをし、はざにかけて干しておきました。

もういいだろうと思って、囲いのトタンも取りました。

ところが

翌日のこと



いのししに、ほとんど

米を食べられてしまったそうです。



しまったぁ〜!



けれども、ここの人たちはめげません。



いのししを責められやしないよ。今まで、食べるなとトタンを貼ってたときは、

遠慮して食べなかったんだから・・・

トタンをはずされて、米もまとめてあるわけだから、

どうぞ食べてくださいと言っているようなもんだなぁ。

いのししも、
どうもありがとう、ごっつあんでしたとういようなもんだ。


さっぱりしたもんです。

けれども、人間といのししとのせめぎあい

宮崎駿監督の「もののけ姫」の映画を思い出しました。

けれども、ここでは戦いではなく、笑い合いでした。





ここが、秘境です。どうです、すごく景色のいいところでしょう。

  


  



  


    

近くには、自然の恵みがいっぱい。赤い実はキイチゴです。 右の写真は、ムラサキシキブというそうです。

キイチゴは、甘酸っぱく、美味しく食べられました。


  



帰りに、道を一本変えると、そこには滝もあるんですよ。




百姓学校からの風景です





百姓学校収穫祭に参加した人全員の記念写真です。


  

百姓学校の近くの宿場町の神社にある、巨大な杉の木

百姓学校からの帰り道に寄りました。

トトロに出てくる、芽から育つ巨大な生命の木を思い出しました。

百姓学校の体験レポート、いかがでしたでしょうか。
現代の都会に住む私達の日常の仕事というのは、どんどん専門化され、細分化され、気がつくとそのことしかできない人間になっています。それも、お膳立てしてもらわないとできない。 リストラされたら何もできない人間になっているもんだから、リストラが怖くて怖くてしかたがない。 そうではなく、総合的な人間力をつける必要があるとは思いませんか? その一番近道が、農業ではないかと教えてもらったような気がします。 これで生きていけるのなら、不安はなくなるし、楽しいし、最高です。
また、ここで過ごした時間と食事は最高の贅沢だと思いました。1万円の食事より、ここの食事の方が絶対においしい。100万円もらっても、ここの幸せ感にはかなわない。本当の豊かさを考えさせられました。
百姓学校に興味のある人、入校したい人は、知多クリック事務局または下記の百姓学校オフィシャルページの事務局まで、ご連絡ください。

百姓学校のある場所、瑞浪市の北部の日吉町深沢
詳しくは、百姓学校オフィシャルページへ
百姓学校 希望の村 レポートページへ