知多半島は5月中旬から、6月初旬にかけてが田植えシーズンです。
つまり、今シーズン真っ只中ということ


車から見る風景がかわり、黒々とした土が水を張った田にかわり、いつの間に?といううちに
稲の苗たちが、新入生よろしく整列させられて不安げに風に揺れていたりします。


昨年秋、大勢の仲間とともに初めて野田さんの田を訪れました。
9月15日だったので、収穫直前でした。


そのとき、初めて耳にしたのが「フコーキ」という稲の苗の植え方
え?「不孝期」?? なんて字を想像して面食らいました正解は不耕起でした。


シーズン到来、野田さんの稲作の始まりが知りたくてメールしました。


元気な草たち
こんなものを被写体にして写真を撮り、
こんなタイトルをつけてる野田さん、
ちょっとおかしく不思議に思いませんか?

でも※昨年の見学会でのお話を見ていただくと
「草」に対する見方がかなりかわりますよ



田んぼ 5月



田植え準備

今年の田植えはまだ始めておりませんが、サラリーマン土日百姓ですので
例年のように5月末から6月半ばの2〜3週間で植えたいと思っています。
今までは、苗代で25センチ程度に育った成苗を植えていましたが
今年は箱で育てた10センチ程度の苗を手植えする予定です。


                     上の写真は野田さん提供



ワクワク・ドキドキ・・・

 ▲2002.5.23▼5.26


昨年9月以来、久々に訪れる野田さんの田、
「大体の位置はわかるけど、表札もないしさぁ、行けるかな…」
「絶好の田植え日よりだからな、この時間なら野田さんに会えるさ…」


心配ご無用、
車をとめた広い道から全体を見渡したらすぐわかった。

あれだ!!


   

決め手はやっぱり

  だっ!! 野田さんだっ!!


      ↓これから田植えをするところ  ↓ 普通の水田

              ↑もう、田植えが済んだところ 



  えっ? ?  イネは 水は??  



 よく見ると  ほらね! !

古いイネの切り株が残っていました。(写真中央下)
その間あいだに苗を植えていきます。
今年は例年より小さい苗(約10cm)です。
杭は竹製で、品種名が刻まれていました。
ということは、こんなに何種類も!!
そうでした、昨年は確か※40種以上とお伺いしました。


これが、不耕起
読んで字のごとく、田を耕さず起さないで植付けをしていきます。
肥料になるものは自然に生えたやワラ
そのまま倒したり刈ったりして
土に返していくだけです。
を抜かない、だけじゃなかったんです。
大変ですが、人力で行います。
それで野田さんたちはこのような農法を
自然農と呼んでいます。

これを、私の師※川口先生は20年も前から続けてこられ、私はまだ10年
土の状態はまだまだ先生には及びませんけどね。

でも、水は要らないんですか?これじゃ畑じゃないですかと
心配した私たちにこんな解説が。

私も、毎年心配してるんですけどね、
でも不思議とちゃんととれてますからね


一般的な田に水を張る理由は
@保温A水草以外の草が生えにくいB農薬が使いやすい

野田さんの田ではこれらの理由は当てはまらず、
イネの生育条件に合わせて、田植え後にもう少し水を入れるそうです。


お話を伺っていたら、足元でガサゴソ、チャポン ポチャン
あっちでも、こっちでも音がして、

顔を出してくれたのは
懐かしいオトノサマたちでした。
目をクリクリ、パチパチさせながら私たちの会話を聞いていました。


カエルとトカゲが苦手な私は、腰を引き足をこわばらせながらも
「お願い、写真撮って!!」と叫んでいました。


米を主食としているあなたにお聞きします。

「最近、トノサマガエルを見たことがありますか?」

私は本当に久しぶりに見ました。何年ぶりか思い出せないほど・・・



オレたちゃもう、日本じゃ生きていけなくなちまったんだよ。
卵を産み子どもたちを育てる田んぼがなくなってきちゃってさ、
やっと産んだ卵たちゃ紫外線にやられる、
何とか大きくなれても今度は毒水が待ってるからな。
あいちじゃ、ここが最後の楽園さ。


ウソだと思うんなら、※県のレッドリストブックを見てくれよ。
新潟県にいる親類たちは絶滅危惧種U類とやらになっちまったんだって。


草やら虫やらがあるといい米ができないって信じてる人が多いらしいが、
田んぼの生き物みんなで仲良くやってきたんじゃなかったのかね
それに、根絶やしになるのは草や虫やオレたちカエルだけだとでも思ってるのかね。


とにかく一度時間をつくって、田んぼのようすを見に来ておくれよ。



野田さんとの雑談メールより


毎年、毎年種まきや植付けの時期を逃すと全くといってよいほど収穫できないものですね。

昨年は枝豆を常滑では初めて(14年ぶり)だったし、DASHむらの収穫祭のおつまみとしての期待がかかっていたので緊張してましたからね。有機無農薬でも、なんとか期待以上の収穫でした。

でも今年は、種まきが遅れ、しかも鳥よけの枝も置いてないので芽が出たか、せっかく出てもついばまれてなくなっているのでは、と今メールを書きながら気付き、急に心配になっています。 (^_^;) 

そういえば、イチゴは、秋から冬にかけて葉が茶色で半ばあきらめていたのですが、
暖かくなったらみるみる元気になり、
少しは虫たちにおすそ分けして、
まずまずの収穫でした。

私たちは「日曜2時間ファーマーズ」のため
収穫直前までできていることすら気が付かなかったのですが、
草のおかげで鳥には狙われなかったような気がします。


いちごは虫たちとよろこびを分かち合えたようですね。
今年の豆はどうでしょうか。 
鳥に拾われているかもしれませんよ。

私たち気まぐれで田畑へ行くのですが
なにせ
あの方たちは生きていくのに命がけなのですからねえ。


■2001.9.15 ちた『地球村』のMM 野田さんの田んぼ見学会

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chitaクリックレポート 2002.5.23UP

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