2年ほど前に、岐阜県の瑞浪のWeekEnd百姓学校(以下、百姓学校)に訪れました。
今回、「あすとこねっと」として、まちづくりの観点から見てみたいという声があがり、さらに常滑の「自然農を楽しむ会」としてもどのようなことをしているのか参考にしたい、「とこなめDASH村」も以前よりパワーアップして2つの畑を運営をするようになったのでその報告もしたいと、出かけることになりました。
(平成15年12月28日)



もっと遠いところにあると思っていたのですが、

高速道路を使うと、なんと1時間半ほどで、到着するのです。




百姓学校の全景です。周りは段々畑と棚田です。



この学校は、毎月第4の土、日に開かれています。

今年の収穫を終わり、餅つきが行われていました。



百姓学校の行事を中断して

常滑からの一行を迎え入れていただき、

座談会を開いていただきました。



立っているのは小倉校長さん。その後ろで腕を組んでいるのが、

教頭にあたるのかなぁ?小早川さんです。

以下は、小倉校長のあいさつです

百姓は苦労が多いわりに、儲からないなどと言われているが、

これは、事実ではない!

無農薬の自然野菜に手間がかかるなんてウソだ!

ちゃんと頭を使えば1日3時間の労働で作物はできる。

わしは、百姓をやる前に、会社に勤めておった。事業を展開してみたこともある。

しかし、たわけらしいと思い、やめて百姓になった。

百姓ほど、生産性が高くて儲かるものはない。みんなそれに気が付かない。

ただ、やみくもにやってもだめだ。それなりの循環を考えた方法をとる必要がある。

そこで、百姓学校を始めたんじゃ。 何度も言うぞ!

       百姓ほど、儲かる仕事はないぞ!




校長が熱弁をふるう庭の裏では、前回訪れたときと同じ南天が、

青く澄んだ空の下で、赤い実をつけていました。

次に、教頭役の小早川さんが次のように述べました。

このようなものの言い方をする校長です。

物事を断定的に言うので、中にはついていけなくなる人もいるようです。

気になる人は、その分割り引いて聞いていただいて結構です。

けれども、この校長は、われわれも舌を巻くほどの博識で努力家で勉強家なのです。

大学の農学部の教授もかないません。

教授にない一番の強みは、やはり実践があるということでしょう。

戦後、アメリカ農業をめざした日本の農業は、収入と支出(経費)のバランスを欠き、

壊滅的な状況となってしまった。ここで目指す農業は、「自然循環農法」

小倉校長は、素人の私たちを使って、百姓学校で、1日3時間でできる効率の良い

この農法の実証をしようとし、私たちはその実験台になったのです。

この百姓学校が成り立ってきたのは、単に自然循環農業ということだけではありません。

この場を取り囲む環境が癒しの場であると同時に、ここで宿泊することにより、

共同体意識が培われてきたせいであるとも思っています。

百姓学校のあり方をまとめた冊子をいただきました。





さて、百姓学校の見学です。

循環農法のスタートとなる牛舎です。

ここでは、現在、7頭の肉牛を飼っています。



牛舎の前の土は、糞で土が黒くなっていますが、不思議とにおいがしません。

EM菌を食べさせて、においがなくなったと言います。

一般に牛糞を肥料に使う場合は、発酵させますが、

ここでは、発酵させず、そのまま土に混ぜるそうです。




牛舎の中の牛は、大変大きく見えました。

ここの畑は、3毛作

6月から10月まで、

11月から5月まで

それから、畑作1年

計2年周期です。

畑作の一時期は、牧草を育てたりもしています。



牧草をアップで見てみると・・・



このように3毛作にするわけは、

種類を変えることで、土の中の成分が循環安定して連作障害を防ぐためです。

また水田、麦作、畑を順にすることにより、草の害を防ぎます。

草は、水を好むものとそうでないものとがあり、これをくりかえすことにより、

無用な草が生えなくなるのだそうです。








畑を見渡します。



畑の片隅に、清水が湧いており、

クレソンが生えていました。

食べるととても新鮮でおいしかったです。





このキャベツの周りを見てください。

下草の中に育っています。




レタスにしても・・・



ほうれん草にしても・・・



周りには草が生えています。

草を敵とせず、草に守られるように、作物は育ちます。





下の畑は、前回訪れたとき、ススキの生えた荒地でした。

before     after
以前の百姓学校の荒地 今回、荒地が畑に変わっていた


この土地は、小倉校長が整備しています。

石組みなど、すべて校長が自分で行うのだそうです。







採れた作物を分配します。

  


麦も小麦粉にして分配します。




配給を指揮する加藤大喜さん。

前回、お会いしたときはサンタクロースになって楽しませてくれた人です。

彼は、食事会の挨拶のとき、

「現代のような日本のあり方は、あと1年、遅くとも5年後までに崩壊する。」

その後の世界は、このような生活が支えると断言しました。


食事をする部屋からの風景です。

常滑の竹内さんと談話する小倉校長さん




大きなヘチマかぼちゃ(正しくは宿儺-すくなかぼちゃ)をもらい、
常滑の地でも増やすことを約束しました。




収穫をもとにみんなで食事をします。







小屋の入り口にある囲炉裏です。



小屋の裏にも畑があります。




裏の畑でも耕し始めている人がいました。


こんな体験をさせていただきながら、午後3時ごろ、

この地を、おいとますることとなりました。




百姓学校の訪問レポート、第2弾 いかがでしたでしょうか。

今年3月あたりに、校長さんはじめ、百姓学校の方々に常滑の地に

来ていただくような話となりました。

そのときは、またレポートいたします。

百姓学校に興味のある人、入校したい人は、

知多クリック事務局または、

下記の百姓学校オフィシャルページの事務局まで、ご連絡ください。

百姓学校のある場所、瑞浪市の北部の日吉町深沢
詳しくは、百姓学校オフィシャルページへ
百姓学校 希望の村 レポートページへ