Chitaクリックの視点
知多クリックとしての視点と意見を述べさせていただきます。少し長いけれど、最後まで読んでください。(少々、生意気でゴメンネ!)

1990年は、大変象徴的な年でした。ソ連崩壊、社会主義国崩壊、日本バブル崩壊。これは一見、資本主義の一人勝ちのように見えましたが、実はそうではありませんでした。バブル崩壊は実は資本主義自体崩壊の序章だったのです。
人は、どうしたら幸せになれるかと考え、努力してきました。
まずは、物質的に豊かになること そのためには景気を上げ、経済を発展させること そう考えました。(私もそう思っていました)
ところが、物質的に豊かになってもなっても、不安感はぬぐえません。人の心の荒廃、雇用不安、老後の不安は増大するばかりです。

気が付けば、地域の生活環境、日本の環境、海の環境、地球の環境自体が破壊され、自然どころか人類の生存まで怪しくなってきています。(これについては後で詳しく述べます)
今年、株価が最安値を更新し、不況が長引いています。アメリカがバブル状態にあり、今年あたりにはじけそうです。それでも、日本政府は、IT革命、経済活性化を目指しています。
実は、経済政策は、もう10年前の1990年に破綻しているのです。政府も人々も未だにバブルの夢を見て、バブル時代の10分の1でもいいから経済成長してほしいと望んでいるのです。しかし、これ以上の経済成長が本当に必要なのでしょうか。 今、大いなる価値観の変革が必要です。

現在、不況状態にあり、生活不安にさいなまれている。景気対策として、一般家庭の消費意欲を促進させねばならない。60歳定年後、80歳まで生きるとして、いったいどれだけ貯蓄しておかねばならないか。1ヶ月の経費を20万円とすると20万×12ヶ月×20年=4800万 それだけ貯蓄がいる。この数字を確保しようと考えると、どうしようもなく不安にかられます。
反面、この不況下にありながら、食料を外国から70%以上も輸入し、25%も食べ残しで捨てている。

でも、この考え方っておかしいと思ったことはありませんか?
私は、1ヶ月食費を5000円で過ごしている有能な海洋学者を知っています。その学者は、自分の家計を省みず海の生物の危機を訴えています。日本の一般家庭の平均月収からみると、自分の生計が危機的な状況なのに、社会のサラリーマンよりずっと明るく、ずっと生き生きと暮らしています。
景気浮揚策によるお金が儲かる社会を築くより、生活費がかからない社会を実現した方が安心して生きられませんか? もしかして、私達は、自然環境より経済を いのちよりお金を 永続する社会より目先の社会を 子どもたちのことよりビジネスを大事にいつのまにか考えるようになっていませんか?

環境問題は常に経済とぶつかり、経済の足を引っ張ります。けれども環境問題は命の問題なのです。
ビニールやプラスチックを燃やすとダイオキシンが出ます。このダイオキシンにどれだけの毒性があるか知っていますか。
なんと、その毒性はサリンの数倍強く、サリンより始末が悪いのは、その毒性が分解されず持続し続けることです。その毒は、生物の体内に凝縮堆積され、最終的に人の食物に入ってきます。薄い毒は、今日、明日体調が悪くなるというものではありません。けれども、遺伝子異常や体質悪化、環境ホルモンとして働きます。一度体内に取り込まれたら、10%ほどしか対外へ排出されません。卵パック1つを燃やすと、なんと、東京ドーム1つ分の大気が汚染されるそうです。ダイオキシン1gは1万人の致死量の毒を持っています。

2年前に帝京大学が調査発表した新聞記事には、次のような衝撃的なことが書かれていました。
   成人男性20歳代の精子正常者、34人のうち、たった1人
   20代 30代 40代では、精子の数が20代が一番少ない

なんということでしょう。このままでは、少子化の日本は滅んでしまいます。

オゾン層破壊、これはどこまで進んだのでしょうか。
   北極圏では60%減少 日本では最大30%減少 オーストラリアでは紫外線Bによる皮膚癌が多発
   日本においても皮膚癌の増加 NASA報告によると20年後には上空オゾンの2/3が破壊

地球温暖化の問題は…?
温暖化防止会議が世界中の国を集めて行われましたが、CO2削減目標は必要量の1/10でしかありませんでした。その目標設定に異議を唱えたのはアメリカと日本、理由は経済発展を阻害するから。その上、その目標すら守れず、逆に増加してしまったのは日本、アメリカはブッシュ政権となってこの目標を反故にしようとしています。
温暖化になるとどうなるか、100年後に地球の平均温度が最大5度上昇 海面は2m上昇 40カ国の国土の大半が海に沈むことになります。関西空港も、中部空港も海に沈んでしまいます。それだけではありません。この温暖化は、気候異常を起こし、世界的な食料危機が起きると言われているのです。

現代がいかに危機的な状況にあるのか。第1にそれを自分の問題としてしっかり把握することです。誰が悪いのではありません。現にビニールのごみを出しているのは自分自身です。CO2を最もたくさん出しているのは家庭です。海を汚しているのは自分自身なのです。
経済が発展することはいいことだと私自身も考えていました。しかし人類の文明で、滅んでいるのはほとんどその文明の絶頂期です。生物学的に見てもその生物が滅ぶのは、大量発生した後です。
そこで、考えてください。資源は無限ではないにもかかわらず、経済だけが無限に発展しつづけるということは無理だと思いませんか?経済が発展しつづけることは、もしかして破滅への道を歩んでいることではないでしょうか?
この経済発展は、大量生産・大量消費の上に成り立っています。その結果、大量のゴミが出ました。これを、循環型の経済に変えなければなりません。循環型の経済とは、物を使い捨てにせず、大切に扱い、繰り返し使える体制を築くこと。そのような体制の中での経済であること。

今、一人ひとりが出来ることは何かを考え、行動をしていってください。
現在の空港問題の中心はいったい何でしょうか?極論すれば、経済問題です。経済活性化と経済効率を最優先に考え、市民生活をなおざりにすると問題が生じます。
経済活動のすべてを否定はしません。しかし、必ずしも「経済発展=人々の幸せ」ではないのです。経済発展や産業振興に目的があるとしたら、人々の幸せにあるという基本を忘れてはいけません。それを忘れ、人が欲にまみれたとき、経済発展は子供たちの未来も人類の未来をも消し去ってしまいます。
 時代は、国政・官僚・企業・既成政党の時代から、地方地域一人ひとりの市民活動が大切な時代へと移りつつあります。このchitaクリックは、草の根の市民活動を応援していきます。そして、住みやすい街づくりを目指していきます。

先頭の写真を除いて、すべて知多半島にて取材した写真を掲載しています。
 
2000.9  高木善之代表の書籍等を読み目からウロコの思い。
2000.12.10ネットワーク「地球村」会員となる。
2001.3.31記。
2001.7.28デザイン等改訂。

 ご意見は 掲示板へ